ホームページ作成を自分で始めたいけれど、著作権が心配な方へ。この記事では、初心者でもすぐ理解できる著作権の基本と注意点を紹介します。安心して公開できるホームページを作るために、ぜひ参考にしてください。
1. ホームページと著作権って関係あるの?
1-1. 著作権ってなに?
1-2. ホームページで著作権が問題になる理由
2. 使っていい?ダメ?著作権のルール
2-1. 文章をコピーしてもいい?
2-2. 写真やイラストを使うときの注意点
2-3. 音楽や動画の使い方もルールがある
3. ブログや日記にも関係あるの?
3-1. 個人ブログでも守るべきこと
3-2. 「自分だけで見るならOK」はほんとう?
4. 「フリー素材」って本当に自由?
4-1. フリー素材の正しい使い方
4-2. 使う前に確認するべきポイント
5. 著作権について
5-1. 「著作権法」にはなにが書いてある?
5-2. 「著作者人格権」ってどういう意味?
5-3. 著作権の種類と期限
6. 自分のホームページを守るために
6-1. 自分の写真や文章はどう守る?
6-2. 著作権を申請するにはどうする?
6-3. 誰かに作ってもらうときの注意点
7. よくある質問
これからホームページを作るときに、「どんな画像を使えばいい?」「文章をまねしてもいいの?」と不安になる人も多いと思います。じつは、ホームページに使うすべての内容には「著作権」というきまりがあります。このきまりを知らないと、うっかり人の作品を使ってしまい、トラブルになることもあります。でも、きほんを知っていれば心配いりません。ここでは、むずかしく感じる「著作権」のことを、カンタンなことばでわかりやすく説明していきます。
著作権とは、「だれかが作った作品を勝手に使ってはいけない」というルールのことです。たとえば、ある人が書いたブログの文章や、プロが撮った写真、イラストや音楽などには、その作った人が「使っていい」「使ってはいけない」という権利があるのです。著作権は、作品を作った時点で自動的に生まれます。そのため、「ネットにあったから使ってもいい」と思うのはまちがいです。
ホームページでは、文章・写真・イラスト・動画など、いろいろなものを使います。もし、それらを知らないうちに「だれかの作品」からコピーしてしまうと、著作権を侵害することになります。「この画像きれいだから使いたい」と思っても、それがフリー素材でなければ使えないこともあります。また、自分が作った作品が勝手に使われてしまうこともあるので、守るためにも著作権のルールは知っておくことが大切です。
ホームページに何かをのせるとき、「これって使っていい?」と迷うことがよくあります。とくに文章・写真・音楽・動画は、見た目では著作権があるかどうかわかりません。だからこそ、ルールを知っておくことがとても大事です。ここでは、よく使われる3つのパターンにしぼって、気をつけるポイントをやさしく説明します。
ネットにある文章を、そのままコピーしてホームページにのせるのは基本的にNGです。たとえ一部でも、「自分が書いたように見せること」は著作権のルールにふれます。ただし、どうしても使いたい場合は「引用」としてならOKのこともあります。
引用とは、
などの条件を守る必要があります。文章を書くときは、自分の言葉でまとめなおすことが大切です。
【引用の正しい書き方の例】
または、
【ポイント】
難しく感じるかもしれませんが、「この文章は自分が書いたのではなく、〇〇さんのものです」と正直に伝えることが大切です。コピペして終わりにせず、どこから取ってきたかをきちんと書けば、トラブルは防げます。
きれいな写真やイラストはホームページを見やすくしてくれますが、ネットにあるものをそのまま使うのは危険です。たとえ「右クリックで保存」できても、それが使っていいものとはかぎりません。
このように、出どころがはっきりしていて、利用OKとされているものを使うのが安心です。「商用利用可」「クレジット不要」などの表示もチェックしましょう。
音楽や動画は楽しいコンテンツですが、使い方にはとくに注意が必要です。たとえば、市販のCDの音をBGMにしたり、有名なYouTube動画を自分のページにそのままのせるのはNGです。音や映像にも著作権があります。
使いたい場合は、
といった方法が必要です。安心して使える素材サイトをいくつかブックマークしておくと便利です。
「ブログは趣味だから自由に書いていい」「日記なら気にしなくていい」と思っていませんか? でも、たとえ個人で書いていても、著作権のルールはしっかり関係しています。知らずに他人の写真や文章を使ってしまうと、あとで問題になることもあります。ここでは、ブログを書くときに気をつけたいポイントを紹介します。
ブログが個人の趣味や記録だったとしても、著作権のルールを守る必要があります。
たとえば、
こういった行為は、相手の作品を勝手に使うことになるのでNGです。商売に使っていなくても、ネットに公開する時点で「公開行為」として見られます。安全にブログを書くには、「自分で書いた文章・自分で撮った写真」を使うのが基本です。
よくある誤解のひとつに、「家族や友だちしか見ないから、何を使ってもいい」という考えがあります。しかし、ネット上にのせると世界中の人が見られる状態になります。たとえ限定公開にしていても、だれかが画面を保存して広めることもあります。「自分だけで見る」とは、あくまでパソコンやスマホの中で保存しておくだけのことです。ホームページやブログにのせるときは、必ず「公開してもいい内容かどうか」を見直してから使うようにしましょう。
「フリー素材」と聞くと、「だれでも自由に使える」と思いがちですが、実はそうとは限りません。使い方をまちがえると、著作権のルールにふれてしまうこともあります。正しく使えばとても便利なフリー素材ですが、事前の確認がとても大切です。ここでは、フリー素材を安心して使うための基本を説明します。
フリー素材とは、「無料で使っていいですよ」と提供されている写真やイラストのことです。でも、すべてが完全に自由というわけではありません。サイトによってルールがちがうので、次のような点に注意しましょう。
たとえば、「この画像は商用利用NG」と書かれているのに、お店のホームページに使うとルール違反になります。まずは、使いたい場面に合った素材を選びましょう。
素材をダウンロードする前に、必ず利用ルール(利用規約)を読みましょう。サイトによっては、以下のようなきまりがあります。
とくに注意したいのは「フリー素材」と書かれていても、すべての用途で自由というわけではない点です。少しでも不安があれば、その素材のサイト名と「利用規約」で検索してみるのがおすすめです。自分のホームページを安心して作るためにも、確認を忘れないようにしましょう。
フリー素材を使う前に確認すべきポイント
チェック項目 | 内容の説明 | 確認すべき例 |
---|---|---|
商用利用OKか? | 商品やサービスの紹介など、仕事目的に使えるかどうか | ネットショップ、チラシ、企業ページなどで使えるか |
クレジット表記の有無 | 作者の名前を表示する必要があるか | 「写真:○○さん」と書く必要がある場合 |
加工が可能かどうか | 色を変えたり、トリミングしたり、文字を入れてもいいか | イラストに自分のロゴを追加したいときなど |
二次配布が禁止かどうか | ダウンロードした素材を、別の人にわたすのが禁止されているか | 自分のサイトで素材を配布したいと考えている場合など |
著作権について調べていると、「著作権法」や「著作者人格権」など、聞きなれない言葉が出てきます。でも、内容を知っておけば、自分のホームページを作るときにも安心です。ここでは、そんな難しそうな言葉をやさしく、カンタンに説明していきます。
著作権法とは、「作品を作った人の権利を守るためのルール」をまとめた法律です。たとえば、自分が書いたブログや撮った写真を、勝手に使われないように守ってくれる決まりです。
この法律では、
など、基本的なマナーとルールが書かれています。「作品=人の考えや表現」なので、大切にあつかいましょう。ホームページに何かをのせる前に、この考え方を知っておくと安心です。
これは、作品を作った人の「気持ち」や「考え」を守るための特別な権利です。
たとえば、
そんなことがあったら、作った人はいやな気持ちになりますよね。著作者人格権は、「だれが作ったか」「どういう思いで作ったか」を大切にしよう、という考えに基づいています。この権利は、たとえお金をもらっても、ほかの人にゆずることはできません。
著作権にはいくつかの種類がありますが、超初心者の方が知っておくべきなのは「著作財産権」と「著作者人格権」のふたつです。
種類 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
著作財産権 | 作った作品をコピーしたり、人に見せたり、販売したりできる権利 | お金につながる使い方に関係。ゆずったり売ったりできる |
著作者人格権 | 作った人の「名前を出す権利」や「勝手に変えられない権利」 | 作った人の気持ちや考えを守る。ほかの人にゆずることはできない |
そして気になるのが「期限」です。基本的には、作品を作った人が亡くなってから70年が著作権の保護期間です。たとえば、有名な音楽や本でも、期限がすぎると「パブリックドメイン」となり、自由に使える場合もあります。素材を使うときは、その作品がまだ保護されているかどうかを必ず確認しましょう。
せっかく時間をかけて作ったホームページやブログが、だれかに勝手にコピーされたら、とても残念な気持ちになりますよね。自分の作った文章や写真も、れっきとした著作物です。ここでは、自分の作品を守るための基本的な知識と行動について、やさしく解説します。
自分で書いた文章や、撮った写真には、自動的に著作権が生まれます。わざわざ登録しなくても、作った時点で「これは自分の作品」として守られるのです。しかし、勝手に使われたときにそなえて、次のようなことをしておくと安心です。
こうした工夫で、自分の作品だと証明しやすくなります。
「著作権は登録しないと守られないのか?」と疑問に思う方もいますが、登録しなくても自動的に守られます。ただし、万が一トラブルになったときに「本当に自分の作品かどうか」を証明しやすくするために、登録制度を使うこともできます。
文化庁には「著作権登録制度」があり、正式な証明を得ることも可能です。申請の流れは以下のとおりです。
初心者には少し手間に感じるかもしれませんが、万一のトラブルに備えたい場合に役立ちます。
ホームページを外部の人に作ってもらうときは、著作権の取り扱いについて、事前にしっかり話しておくことが大切です。「お金を払ったんだから全部自分のもの」と思いがちですが、じつは作った人(制作者)に著作権が残ることもあります。
以下のような点を事前に確認しましょう。
これらは契約書などに書いておくのが理想です。後から「使えない」とならないよう、しっかり確認しておきましょう。
ホームページ制作を外注するときの確認ポイント
確認項目 | なぜ必要か | チェック例 |
---|---|---|
著作権の帰属 | 作った後、著作権がだれのものになるかを決める必要がある | 「納品後はすべて依頼主に帰属」と明記されているか |
素材の使用ルール | 制作側が使う写真やフォントに制限がないか確認する必要がある | 「商用利用OKの素材のみを使っている」と言えるか |
修正・再利用の範囲 | 後から変更したいときや、別ページにも使いたいときに問題が起きないようにする | 「自由に修正・複製してもよい」と書かれているか |
契約書や納品書の有無 | 言った・言わないのトラブルを防ぐために必要 | 口頭ではなく、紙やPDFで内容を残しているか |
ホームページを作ってもらった場合、そのデザインや文章の著作権は作った人にあることが多いです。お金を払っていても、自動的に権利が自分のものになるとは限りません。トラブルを防ぐためにも、事前に「納品後の著作権は依頼主が持つ」といった内容を契約書などに書いておくのが安心です。
ほかのホームページの文章や画像をそのままコピーして使うのは、著作権のルールに違反する可能性が高いです。少し変えただけでも許されないことがあります。使いたい場合は、作った人に許可を取るか、引用ルールをしっかり守る必要があります。なるべく自分の言葉で書くようにしましょう。
著作権をやぶると、民事では損害の賠償、刑事では最大で10年の懲役や1,000万円以下の罰金が科されることもあります。個人でやっていても関係なく、相手に見つかれば注意ではすまない場合があります。安全にホームページを運営するためにも、使う素材や文章には十分注意しましょう。
「完全にコピー」していなくても、デザインや構成、文章の表現などが似すぎていると、著作権の問題になることがあります。参考にするのは自由ですが、「どこかで見たようなサイトだな」と思われないよう、自分の言葉やアイデアで工夫することが大切です。安心して運営するには、自分らしさを出すのが一番です。
個人で保存するだけなら問題ありませんが、スクリーンショットをそのままSNSやブログにのせると、著作権の違反になることがあります。とくに企業や個人のページを無断で公開するのは避けましょう。どうしても紹介したい場合は、リンクを貼るか、許可をもらってからにしましょう。
自分で見るために印刷するだけなら、基本的に問題はありません。ただし、それを他の人に配ったり、お店や教室で使ったりする場合は注意が必要です。内容によっては著作権の侵害になることもあります。印刷して使いたい場合は、元のサイトに「印刷OK」と書かれているか確認しましょう。
著作権の基本を知っておくことで、ホームページ作成も安心して進められます。次は、自分の目的に合った素材を選び、ルールを守りながら公開してみましょう。迷ったら、このページを読み返して確認してください。